貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
うわ~、あのおじさん、なんなんだろうな~と思いながら、アローナはエメリアと話しているおじさんを見下ろしていた。
随分上等なローブを羽織っている。
偉そうな感じだが、真っ昼間の人気のない娼館に来るなんて、暇なのかな?
と思ってしまう。
すると、そのおじさんの応対をしていたエメリアに命じられ、幼い少女たちが自分を呼びに来た。
待て待て待て、とアローナは思う。
まさか、私、あのおじさんに売られるとか?
でっぷりしたローブの男は剃髪しているのか、禿げているのかよくわからない。
思ったより年ではないようだが、若くもないようだった。
何故、こんなことに……と少女たちに手を引かれ、ローブの男の前に行きながら、アローナは思っていた。