貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
 でもまあ、もう誰かが到着したようだし。

 私がアローナだということはわかってもらえることだろう。

 やれやれ。
 ひどい一日だった。

 あとこれで声が戻れば言うことないんだが、と思ったとき、ジンが戻ってきた。

 てっきりアローナの従者を連れてくると思ったのに一人だった。

「ジン様、アローナ姫の従者の者はどうされました?」
とフェルナンが訊いてくれる。

「帰った」

 帰った!?
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