貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
「姫が心配だからと報告してすぐに探しに戻った。
 忠義な部下だな。

 そして、アローナ姫はよい主人なのだろうな。
 みなに慕われているようだ」

「愛されているようですね、アローナ姫は」
とフェルナンが微笑む。

 その微笑みはある意味、私に向けられているのですよね……?

 誰もこっち向いて言ってはくれないですけど、と思うアローナの前でフェルナンが言う。

「やはり、アローナ姫にジン様の妃になっていただいてはどうでしょう」

 今の状態だとごめんですね……とアローナは思っていた。




< 52 / 290 >

この作品をシェア

pagetop