貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~
 アローナは見送りに出た女主人たちに、一応、頭を下げ、馬車に乗った。

 馬車ではそのローブの男、アハトと向かい合って座るように指示される。

「お前は物静かで良いな」

 ……今、しゃべれないからですよ。

 しゃべれるようになったら、凄まじい勢いでしゃべりますよ。

「それで良い。
 王宮では口は災いのもとになりやすいからな」

 え? 王宮?
とアローナはアハトを見た。




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