天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
教頭 杉下先生
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“コンコン”
「理事長、失礼します。」
理事長室の扉を開けると・・
“母上・・俺はちゃんとやるべきこと果たすべきことを全うできましたか・・?”
と言霊が聞こえてきそうなほど、
消防署にド叱られてハゲと化した理事長がグッタリと椅子に腰掛けていた。
「・・あぁ・・母上・・。」
「杉下です。消防署対応ありがとうございました。」
「野球部の監督は見つかりましたか・・?」
「いえ、見つかりません。」
「そうですか・・・・。」
「理事長。どうして私にお任せ頂けないのでしょうか?」
「だって杉下先生はサッカー・・。」
「サッカーも野球も関係ありません。
ド素人でも、
“練習中にちゃんと大人が見ている”
という事実があれば問題ありません。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・阿部君・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「杉下先生・・。
阿部君にやらせましょう・・。」
「理事長それはさすがにダメです。あのサイコパスに野球部は預けられません。
というか、それ以前に絶対に引き受けてくれません。
“ハッあり得ない”と一蹴されるのが目に見えてます。」