天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「“問題があった野球部”
“問題だらけの化学教師”

足して2で割ったら、
ちょうど良くなるはずです・・。」


「問題があったのはあくまで教員のほうで、

そこにまた問題教師を送り込んだら、
今度こそあなた死にますよ?」


「閉じ込めるのです。」


「え・・・?」


「阿部君を野球部に押し込めば、ひとまず放課後のボヤ騒ぎはこれで無くなります。」


「・・・・・・・・・・・。」


「野球部の生徒達も、スポーツど素人の阿部君が相手なら物怖じせずに、

タメ口でノビノビとプレーできるはずです。

素人に監督をやらせて、

[青愛学園 新生野球部は、
“生徒の自主性”を色濃く出している]

と世間にアピールするのです。」



・・・野球部に専念させて、
闇実験する暇を与えさせない・・

という点については、
一理あるなと感じた。


確かに・・あの男はマッドサイエンティストみたいな変人だけど・・

それはあくまで科学界の話。

スポーツにおいては天才もへったくれもない“素人”だ・・・。


「分かりました理事長。
阿部先生に打診してきます。

その代わり、彼が断ったら理事長も諦めてくださいね。」


「杉下先生・・・。」


「・・・・?」


「・・私に“秘策”があります・・。」
















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