天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
[か、監督・・。
申し訳ございませんでした・・。]
練習試合は全勝!
・・というわけには勿論いかなくて、
経験浅い1年(現2年)生の子がミスをしてしまったり、やる気が空回りしてしまって、
大敗を喫する事もあった。
別に野球素人の阿部先生には謝らなくてもいいのに、
体に染みついてしまって、
条件反射で頭を下げる後輩達。
でも・・阿部先生は・・・
[実験に失敗はつきものです。
何度でも失敗を繰り返して、
その失敗を分析して次に繋げる。
だから今日まで、科学はめざましい発展を続けてきたんです。]
・・・・決してその子達を怒らなかった。
野球の話をしているのか、自分の得意分野の事を言ってるのかはよく分からないけど・・
でも・・・・
【君達は“失敗”も、“人目”も・・
何も怖がる必要は無い。
ただがむしゃらに、
君達の好きな事に熱中しなさい。】
ほんの・・・ほんのほんの・・
ほんのちょっとだけど・・
あのニチャァ笑みがたま~~~~に、
カッコ良く見・・・
「筒井さん。」
「キャッ!!」
「何をボ~っとしているのですか?練習が始まったので君はカメラを回してください。」
「・・・は、はい・・。」
いやごめんなさい。
やっぱりさっきのは言い過ぎでした。
今日も相変わらず全身に鳥肌がザワワと立ったので、慌てて龍ちゃん達に合流した。