天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「教頭。」


「なんですか阿部先生?」


「社交辞令で口に出す事が多いですが、
今から僕が言うのは本心です。」


「・・・・・?」


「スカウト活動ありがとうございました。」


「ムハハ!阿部先生にしては珍しく心がこもっていますなぁ。」



盛り上がる部員達の中、

毎度ベンチの隅にちょこんと足を組んで座って試合を見守る、

マッドサイエンティストの薄気味悪い笑顔。


その薄気味悪さっぷりが増している事からも、どうやら手応えを感じている様子だった。



「最初はどうなる事かと心配していた地獄の土曜日も・・

1人の脱落者を出す事なくゴールできそうですな。」


「はい・・・ようやく・・
僕の論理的思考も完成しました。」


「いよいよ・・始まりますな・・!」


「さて・・・では教頭。
今夜、化学室へ来て頂けますか?」


「・・・?・・なんですか一体?」


「面白い物をお見せしますよ・・・。」
















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