天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


―――――― 


真夜中の校舎。明かりがついていたのは化学“準備室”のほうだった。


“ガチャリ”


「お待たせしました。」


「・・・・・・・・・・・・。」


“夜の学校”という雰囲気をより一層映えさせるマッドサイエンティストの笑み。


ノートPCを覗き込んでいたようだったけど、その周囲にはノート?が散乱・・

私もそのうちの一つを手に取る。


「これはひょっとして・・

マネージャー諸君が試合の時に、
一生懸命付けていたノートですか?」


「はい。“スコアブック”と呼ばれる、
試合経過を表した記録表です。


「なんだか・・見方が分からないと暗号みたいですな。」


「はい。僕も筒井さんに見方を教えてもらいましたが、非常に興味深い物でした。」


「しかしまぁ・・2月末から1日3試合もやっていると、こんなにも多くなるのか。

マネージャー諸君も大変だったろうに・・。」




「教頭・・こちらをご覧ください。」


「・・・・?」


阿部先生がノートPCの画面を私に見せてきた。


「これはまさか・・・?」

< 138 / 399 >

この作品をシェア

pagetop