天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
第2話


第2話

新生 野球部、再始動




野球部マネージャー 筒井ミク
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「なに!?ホントか!?」


「ホントホント!!

さっき教頭先生に会って、
“部員の皆に伝えてくれ”って!」


職員室から龍ちゃんがいる1組へ。

全力疾走で駆け抜けて、

息切れもそのままに[明日から活動再開]の報せを伝える・・!



「監督が決まったって事か?」


「だと思う!誰なのかはまだ教えてくれなかったけど・・。」


「なんだよ?
“当日のお楽しみに”って事?」


「ひょっとして・・外部から凄い人を招聘してくれたのかな!?」


「っしゃぁ・・!とにかく明日からまた野球やれるって事だな。」


「じゃあ私、中村くん達にも伝えてくるね!」



待ちに待った活動再開、
待ちに待った新監督。


龍ちゃんの次は、
新キャプテンの中村くんがいる5く・・



“ドンッ!”


「キャッ・・・!!?」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「あ・・ごめんなさい。」

ヤバっ・・変態だ・・・。




「・・・・・・・・・・・・・・・。」


え・・でも授業間ならまだしも・・

お昼休みの時間に、どうして2年生のフロアに居たんだろう・・?


ぶつかった私に目もくれず、

無言で職員室の方向へ戻っていったのは、“変態”こと化学の阿部先生だった。


別に授業中に下ネタ発言をしたわけでも、性的な視線を向けられたわけでもないけど、

不衛生な見た目というか・・
喋り方というか・・

科学・化学以外の事は眼中にないあの態度というか・・


ウチら生徒の間では、
あの人の事を“変態”と呼んでいます。


・・って変態のことはどうでもよくて!

気を取り直して5組へと向かう!




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