天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「ほら・・俺ずっとレフトのレギュラー任せてもらってたけど・・福留が入っただろ?」
「あ・・・・・うんそうだね・・。」
「悔しいけど、福留の実力は本物だよ。
1年にレギュラー取られるのは悔しいけど、でも福留は絶対スタメンで出るべきだよ・・。
・・悔しいけどね・・。」
“悔しいけど”という単語を3回連発した井上くんと並んで歩いて部室へと向かう。
確かに・・福留くんの加入はウチらをもっともっと強くさせてくれた。
でも・・福留くんがレギュラーになるという事は・・
一緒に苦楽を共にしてきた誰かがレギュラーを外されるという事になる・・。
「絶対外されるの俺だよぉ・・。
だって、センターの大西はチームNo.1の俊足が武器の1番バッターだし、
ライトの山口はチームNo.1の強肩を持って、
2年生ながら必死に立浪の穴を埋めてくれた頼もしい後輩だし・・。」
「・・・・う、うん・・・。」
「6番レフト 俺・・・。
俺が外れてレフトは福留が守って、
福留が入れば打順の構成もまた変わってくるんじゃないかな?」
「あ・・で、でもさ!
もしそうなっても・・・・・。」
「分かってる。
“全員野球”がウチの信条だもんな。」
「うん・・・・・。」