天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「あの騒動があって、阿部先生が新しくウチらの監督になった直後も、
中村くんや龍ちゃんや・・
みんなが立浪くんに声を掛けました。
“戻ってきてほしい”
“江藤先生は居なくなった”
“新しい顧問はド素人だから、
俺達の自由にやらせてくれる”
でも立浪くんは・・“野球はもうやらない”の一点張りで・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「それが信じられなくて、
一度、ゲームセンターに居たところに遭遇したから・・私も・・・。
でも、みんなの言う通りでした。」
「ですが、野球部 顧問の僕へ[退部願い]は提出されていません。
だからまだ彼の籍は野球部に残っています。
大会本部へ提出するメンバー登録表へも、
背番号17で立浪君の名前を書きます。」
阿部先生が・・私がいつも使っていた1号機を差し出してきた。
「昨日、皆さんの練習オフの日だったので、
僕が使わせて頂きました。
録画映像を見ますか?」
「え・・・?」
「僕と彼は面識がありません。すみませんが君が間を取り持ってください。」