天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「あの騒動があって、阿部先生が新しくウチらの監督になった直後も、

中村くんや龍ちゃんや・・
みんなが立浪くんに声を掛けました。

“戻ってきてほしい”
“江藤先生は居なくなった”

“新しい顧問はド素人だから、
俺達の自由にやらせてくれる”

でも立浪くんは・・“野球はもうやらない”の一点張りで・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「それが信じられなくて、

一度、ゲームセンターに居たところに遭遇したから・・私も・・・。

でも、みんなの言う通りでした。」


「ですが、野球部 顧問の僕へ[退部願い]は提出されていません。

だからまだ彼の籍は野球部に残っています。

大会本部へ提出するメンバー登録表へも、
背番号17で立浪君の名前を書きます。」


阿部先生が・・私がいつも使っていた1号機を差し出してきた。


「昨日、皆さんの練習オフの日だったので、
僕が使わせて頂きました。

録画映像を見ますか?」


「え・・・?」


「僕と彼は面識がありません。すみませんが君が間を取り持ってください。」
















< 159 / 399 >

この作品をシェア

pagetop