天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「・・・・・・・・・・・・・。」
「僕が大学院に進み、
研究所で働き出した頃になると、
父が他界して縛る物が何も無くなったので、
僕らは2人で暮らし始めて、
互いの研究についての意見交換を寝る間も惜しんで行っていました。」
「・・・そうだったんですか・・。」
「・・あとは教頭がご存知の通りです。
母は5年前、厚生労働省から“難病指定”されている病を発症し、
寝たきり状態となったので、今は老人ホームのお世話になっています。」
「確か・・運動機能が幼児以下に急減して、
歩行すら出来なくなる病でしたな・・。」
「・・・出来る事なら、
母の寿命が尽きる前に・・
最後にもう一度だけ大好きだった神社・仏閣巡りをさせてあげたいと思っていますが、
残念ながらその望みは薄いですね。」
「・・・・しかしだ阿部先生。
見てください、あの部員達の様子を。」
「・・・・・・・・・・。」