天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「“あなたの物語”のおかげで・・
あなたの記憶に根強く残っているお母様との思い出のおかげで、
今回の発案に至ったんでしょう?」
「・・・・・・・・。」
「おかげで必勝祈願も出来て、チームの雰囲気や士気が最高潮に上がった。
絵馬を書いて記念撮影して、
高校生として最高の思い出が1つできた。
彼らの・・あの無邪気な笑顔。
輝いて見えますなぁ。」
「全く見えません。
教頭、眼科に行ってきたらどうですか?」
「教頭先生~!!
全員で集合写真撮りましょー!」
「お!良いですなぁ!
分かりましたぞ~。」
「変態先生!カメラマンよろしく!」
「はい。分かりました。」
まさかの“監督が撮影係”という立場の無さも、我が学園野球部の魅力の一つなのかもしれない。
「・・・・・・。」
「いやいや!合図ぐらいしろよ!!」
“はい、チーズ”と言わずに、
薄気味悪い笑顔を浮かべるマッドサイエンティストに皆でツッコミながら、
いよいよ・・・・彼らにとって、
勝負の夏が始まる・・!!
夏の全国高校野球
愛知県大会 開幕
第10話 完