天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「え・・先生。岩瀬くん・・
どうしちゃったの・・?」
いきなり1点を取られて、
尚もノーアウト満塁のピンチ。
そんな状況でも、いつも通りベンチの隅で足を組みながらちょこんと座って、
ニチャァ笑みを浮かべながら戦況を見つめる変態に思わず尋ねてしまう・・。
「彼の投球フォームに異常はありません。
いつも通りです。」
「じゃあ・・・。」
「見た目では分からない体調不良を発症しているなら別ですが、
もしそうでないなら・・。」
「・・・・?」
「恐らく【ド緊張】していると思われます。」
「・・緊張・・そっか・・。
岩瀬くんにとって、
これが初の公式戦ですもんね・・。」
「君達が“ゴールデンルーキー”と持て囃すのは勝手ですが、
彼はつい3ヶ月前までは中学生だった事を考慮すると、これも計算のうちです。」
伝令係の大西くんがマウンドから戻ってきた。
「変態!体調は大丈夫そうだったけど、でもあいつガチガチに緊張してやがった!
だから[緊張の解消も、蚊の撃退も、キンチョール!]って言っておいた!」
「訳の分からないダジャレをありがとうございます大西君。
プレー続行可能なら問題ありません。」