天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
《タイム!!》
「・・あ?」
「あれ・・・?」
「「「「????」」」」
1ボール、ノーストライク。
岩瀬くんがセットポジションに入ろうかとしていた時・・
三塁の塁審が・・両手を広げて、
またタイムをかけた。
「え・・変態、またタイム取ったのか?」
「いえ、僕は何もしていません。」
・・マウンドに近づく・・1人の影・・。
それに気付いた中村くんもマウンドに行こうとしたけど、“大丈夫”と手で制す・・
【背番号6】
「久慈くん・・・?」
岩瀬くんに近づいたショートの久慈くんが、グローブを口に当てて、
何を喋っているのか相手に分からないようにした後・・
時間で言うと“一言”分だけ声をかけて、
またショートの守備位置に戻った。
「珍しいな・・久慈がタイム取ってピッチャーに声かけるなんて。」
ベンチの大西くんが呟いたとおり・・
私も初めて見たかも・・・。