天才か、狂人か。 ～変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる～

《プレイ！》


球審のプレイが掛かって、改めてセットポジションに入った岩瀬くん・・。


でも・・・・なんだろう・・・？
噴き出した汗が止まった・・・？




“！！”


「あっーーーー！！！」


ストライクゾーンにちゃんと投げられたボール。ただ・・ど真ん中の失投・・！！

鋭い金属音と共に、大西くんの悲鳴と共に、
痛烈なライナーが三遊間へ飛んだ！！


「クソッ！！」


咄嗟に龍ちゃんが飛びついて捕球しようとしたけど、

前進守備という事もあって、そのグラブをすり抜け・・打球はレフト前・・



“バシッ！！”


《アウト！！》


「「「「！！！？」」」」


＜！！！！？＞
＜ランナー！も、戻れ！！＞


盛り上がる三塁側ベンチ、スタンドが・・
一瞬にして黙り込んだ・・・。


《アウト！！！》



「うぉぉぉぉおおお！！！
ナイス久慈～～～！！！」


「すごーーーーい！！！
さっすが久慈くん！！！」


レフト前に抜けたかと思った打球。

でも・・いつの間にか前進守備より少し下がった位置で守っていた久慈くんが、

横っ飛び一番でライナーを掴んだ！


そのまますぐに起き上がって、

龍ちゃんが前進してた分、
自分で三塁ベースまで走って、

飛び出した三塁ランナーもアウト。

これで一気に２アウト二塁にピンチ軽減！！