天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


2年前・・ウチらが1年生の時の秋季大会。

当時の3年生が引退して、

それまで試合に出ていなかった1年生メンバーにも出場機会が巡ってきた大会。


青愛学園は・・久慈くんのサヨナラエラーで敗退しました。

何て事のないショートゴロだったけど、
久慈くんがトンネルしてしまって、

転々とレフト前に転がった打球。その間に一気にホームインした二塁ランナー。


しばらくその場から動けなかった久慈くんを先輩が慰めて・・

当時の江藤先生には鉄拳制裁を食らってしまったけど・・


それ以来、久慈くんは誰よりも守備練習を行った。

あの江藤先生にすら、“久慈ぃ。お前練習しすぎだからちょっと休め”と、

部員の中で唯一、
千本ノックを[おかわり]して困らせて、

今では唯一無二の守備職人へと成長した!




「チェストーーー!!!」
「!!!」
「よし!!!」
「おんどりゃあーーー!!」
「!!!」
「!!!」
「ハックション!!」
「!!!」
「・・・・。」
「チェストーー!!」



1回裏、青愛学園の攻撃。
打者一巡の猛攻で一気に7点を奪い返し、

これで7-2と逆転!!



「岩瀬!もう点取られるなよ!」

「ハックション!」


「久慈!バシバシ頼むぞ!」

「・・・ウン・・マカセテ・・・。」

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