天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「相変わらず・・彼は何を言っているのか聞き取れませんね。」
変態がニチャァ笑みを浮かべながら、
久慈くんに視線を送る。
ミスしない鉄壁の守備職人。
それと同時に・・
ウチで一番【声量が小さい】・・
・・・・というか、
一緒に2年半やってきたから、
みんなと一緒で仲はすごく良いけど、
[そういえば、喋ったのいつぶりだろう?]というぐらい、
久慈くんは普段は寡黙な男子です。
「いいぞ岩瀬!!」
落ち着きを取り戻した岩瀬くん。
右バッターにはインコース。
左バッターにはアウトコース。
強気にどんどん投げ込んで、
自然と打球はショートへ。
・・・・・鋭い打球だけど、
残念ながらそこには久慈くんが居る。
・・・・・難しいショートバウンドの打球だけど、残念そこは久慈くん。
・・・・ボテボテの内野安打のチャンスだけど、残念そこは久慈くん。
・・・龍ちゃんの横は抜けたけど、逆シグナルで掴んで鉄砲肩でファーストへ・・
残念、以下同文。