天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「正津、ナイスピッチング。」
「後は任せました、憲伸先輩。」
「・・・あれ?でもひょっとして、
俺、投げれない??」
岩瀬くんから正津くんへの投手リレー。
6回表、終了時点で、
点差は10―2まで開いていた。
「この攻撃でウチらが2点取ったら終わりだねっ。」
「もし取れなくても、俺が7回表を抑えりゃコールドゲームか。」
憲伸くんは投げたそうにしていたけど、
どうやら6回裏で1回戦は終えそうです。
地方大会では、決勝戦を除く試合は全てコールドゲームが採用されています。
[5回終了時10点差以上]
[6回終了時10点差以上]
[7回終了時7点差以上]
[8回終了時7点差以上]
6回裏もチャンスを作って、一気に2点取って10点差にできそうです・・!
「一気に決めろーー!!」
「・・・・大西君。」
「なに変態?」
「渡辺君を呼んできてください。
今回、彼の出番はありません。」
「あ、そっか・・!うぃっす。
・・・・渡辺~!!」
代打の準備を黙々としていた渡辺くんを大西くんが呼びに行って、
憲伸くんも投球練習をやめてベンチに腰を下ろす。