天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「やっぱり来たか・・【佐々岡】・・。」


「うん・・・!」


私の隣に座った龍ちゃんと一緒に、

投球練習をする・・志学園高校のエース、
佐々岡君に視線を送る。


昨年・・3-8と完敗した相手。

当時、2年生エースとしてウチらの前に立ちはだかった背番号1が、

今年もマウンドに上っていた。




【変則サイドスロー】

佐々岡君は、球の出所がバッター目線からとても見にくい好投手です。


更に、ストレートはMAX130キロ台後半とそこまでの超速球ではないけど、

80キロ台の【スローカーブ】という超遅球を武器として・・

緩急をつけてピッチングしてくるクレバーな投手・・!


80キロ台のスローカーブの後だと、たとえ130キロしか出ていない直球でも、

体感として140キロにも150キロにも見えてくる。

昨年はその投球術に先輩達も・・
そして龍ちゃんも大苦戦して、

初回~9回まで、ほとんど主導権を向こうに握られた状況で完敗しました。

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