天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「僕はいまだに理解ができません。
なんですか“送りバント”って?」


「そりゃ・・バントはバントだよ!」


「君達には9回×3アウト、
=計27アウトしか許されないのに、

そんな貴重なアウトを1つ相手にプレゼントするこの作戦は、

僕には全く理解出来ません。」


「・・・・・・・・・・・。」


「僕がピッチャー君の立場だったら[ラッキー、1つアウトをくれた]と思います。

現にこの回でも、
次の中村君が抑えられたら2アウト。

次打者の龍君に、
余計にプレッシャーが掛かるのでは?」


「・・・・・・・・・。」


「もしこれが、ランナーが三塁に居て、

何としてでも1点をもぎ取りたい【スクイズ】だったら僕も賛同しますが、

そうでなければ、相手にアウトを無駄に与える必要はな・・・。」


「うるせぇ変態!黙って見てろ!!」


「・・・失礼しました。」


どうやら“試合中のベンチ”では、素人の変態より大西くんのほうが立場は上のようです。


・・・でも・・・!


「くっ・・ごめん・・!」


「ドンマイ中村!龍が決めてくれるさ!」


阿部先生の悪い予言が当たってしまう・・。

中村くんが佐々岡君のピッチングにタイミングが合わず・・内野フライに倒れてしまう。


ここは・・・龍ちゃん・・頼むよ!!


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