天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
[もしそれが出来なかったら、
僕も潔くこの学園を辞めましょう]
問題児教師が自ら“辞める”と言ってくれた。
我が学園にとっても、
野球部が活動再開できて、
変態教師を辞めさせられる・・
一石二鳥のお得な条件。
とりあえず“繋ぎ”として阿部先生に顧問をやってもらって、
春の新規教員募集で野球部顧問を引き受けてくれそうな人材を雇って、
来年度の夏以降に監督をやってもらえばいい。
「では理事長。
こちらの契約書にサインして頂けますか?」
理事長と私の対面に座ったマッドサイエンティストが紙切れを手渡してきた。
「・・な、なんだこれは・・?」
「全国大会への出場を決めた後に、
一千万の報酬の件を有耶無耶にされたらたまったものではありません。
ここに誓約して頂きましょうか?」
「はいはい。分かってますよ阿部君っ。」
阿部先生の機嫌を損ねたらマズいと判断した理事長が早速サインを・・
・・・って!!?
「理事長!!
中身をちゃんと読んだほうが・・。」
「いいじゃないの杉下先生。
ここは阿部君に一つ任せるという形で。」
「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」
理事長のサインを貰った阿部先生が今度は大きくニヤつく・・。