天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「おんどりゃああ!!!」
「うぉぉお!ナイバッチ龍~!!!」
“取られたら取り返す”
1点でも2点でも憲伸くんに援護点を!
7回裏、先頭バッターの龍ちゃんがツーベースで出塁してノーアウト二塁・・!
「こんな時にも“送りバント”ですか。
全く理解しがたい戦術です。」
変態に小言を言われたけど、
5番の山崎くんがフォアザチームでバントを決めて、1アウト三塁・・!
「先生、ここが今日の“勝負所”です。
渡辺を代打に送っていいですか?」
「はい、中村君。
・・大西君、8回の守備からレフトを守ってください。」
「おう!!!」
6番 井上くんに代わって、
代打の切り札 渡辺くん!!
「ぶちかませ渡辺~~~!!!」
7回になってもそのキレが落ちない、
相手ピッチャー川崎君の快速球。
たった1打席での攻略は難易度高すぎるけど・・でもお願い渡辺くん・・!!
“!!”
「あぁ~・・あ!でもイケる!
突っ走れ龍~!!!!」
センターに上がった高々なフライ。
でも・・【犠牲フライ】には十分な距離!
センターが捕球したのを確認した龍ちゃんが、三塁からタッチアップしてホームへ生還!
「ナイス渡辺!」
「ナイスラン、龍。」
ハイタッチを交わした2人をベンチへ出迎える!
これで5―2・・!
リードが再び3点に広がった・・!!
「さて・・守り切れますか・・憲伸くん?」
変態がニチャァ笑みを浮かべながら独り言を呟いた。
・・・あと2回・・・。
私学4強を倒すその瞬間まで・・
あとアウト6つ・・・!!