天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



教頭 杉下先生
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「理事長!!結局こんな時間になって・・
どうするつもりですか!!?」


「ご、ごめんちゃ~い!!」


「早く行きますぞ!今から行けば9回・・
最終回には間に合います!」


「あ・・!!」


「どうしました?」


「お腹痛くなってきちゃった♡
トイレ行ってきてもいいですか?」


「・・・・このハゲーーーーっ!!!」


「ぎゃ~!!ごめんなさ~い!
先に車のエンジンかけといてください~。」


耳に付けたイヤホン。

地方局のラジオから聞こえてくる、
我が学園野球部の健闘っぷり。


憲伸君が失点したようだが、
渡辺君の犠牲フライで更に加点したようだ。


7回裏が終わって、
得点5-2・・・いけますぞ皆!!


車の鍵を受け取り、

“ひぃぃぃ”とお尻を押さえる理事長を職員用トイレへと押し込んだ後・・

一足先に靴へ履き替えて、
駐車場へ・・・



「・・・・・・ん?」


ふと・・・無意識に目がいった野球部グラウンド。

その端・・部室の前に佇む1人の影が視界に入った。


「あれは・・・・?」


その“茶髪頭”に見覚えがあったので・・つい・・この両足は野球部グラウンドへ・・




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