天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「杉下先生~!やっと見つけた~。置いていかれたと思って焦りましたぞ~。」
「!!!!!!!?」
「理事長~!待ちくたびれましたぞ!」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・おや・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」
理事長がフニャフニャ小走りで、
私と立浪君の元へと駆けてくる。
この人の“日替わり円形脱毛症”に驚いたのか・・立浪君の表情が・・・
・・え・・!!?
「・・・・・・・スッ・・・・・・。」
理事長を見つめながら・・
彼の・・・その目から・・
急に・・涙が溢れだした・・・。
「・・・・・。」
「・・・・ッ・・・・・・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・先生・・・・・・・
・・・ッ・・・理事長先生・・・。」
「・・・・。」
爽やかなイケメンなそのお顔が・・
・・・その涙と共に・・・
不細工にグシャグシャになっていく・・。
「・・・ッ・・・スッ・・・・・・
・・・・・ッ・・・ア・・アァ・・。」
「・・・・。」
理事長は何も言葉を発さない・・。
いや・・あえて“自分の口”から言わせる為に、何も発さなかったのだろうか・・。
何も言わない理事長の前で、
大粒の涙を流しながら・・
ゆっくりと・・膝から崩れ落ちて・・
地面に両手をついた・・・。
「・・スッ・・・ゃ・・・・
・・野球が・・・したいです・・。」
「・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・ッ・・・・野球が・・・・!」