天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「「「・・・・・。」」」
レフト大西くん、
センター福留くん、
ライト山口くん。
3人が勝負を賭けた[前進守備]を敷く。
2アウト・・ランナー 一塁二塁・・。
相手バッターは4番の古田君・・・。
私も・・ベンチメンバーも・・
みんながギュッと自分の両手を合わせる。
二塁ランナーが生還したら同点。
一塁ランナーも返ってきたら逆転・・。
「・・ハァハァ・・ハァハァ・・。」
《ストライク ツー!!》
あと1球・・・・あとひとつ・・!!
サインを憲伸くんへ送った後、
外角に構えるキャッチャーの中村くん。
きっと・・ストライクゾーンでの勝負を避けて、決め球のスライダーを低めに投げて、
空振りを誘うバッテリーの思惑・・!
“うん”と頷いて、セットポジションに入った憲伸くんが最後の1球を放る・・!