天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「大西先輩ドンマイです!
まだ2アウトですから!!」
「・・・・・・・・ゴメン・・・。」
久慈くん並に声が小さくなった大西くんが・・俯きながら帰ってくる・・。
「ご安心ください大西君。
君のバットは止まっていたので、
明らかな“誤審”です。
ですが、高校野球の審判はアマチュアなので、
ジャッジのクオリティには最初から期待していません。今回は運が悪かっただけです。」
「・・・・・・ゴメン・・ヘンタイ・・。」
・・・2アウト満塁・・。
あとアウトひとつで・・
・・ウチらの夏が終わる・・。
勝負の行方は・・次打者・・
7番 憲伸くんの手に・・・!
「さて・・・正津君。
タイムを取ってください。」
「え・・・でも監督。
もう攻撃タイムは3回取りましたよ・・?」
「はい。だから今から取るのは【治療】のタイムです。」
治療・・?という事は・・まさか・・!?
ネクストバッターズサークルから・・
足を引きずりながら、
バッターボックスへ向かう憲伸くん・・。
《タイム!!》
その様子を見た球審が、
こちらの要求とほぼ同時にタイムをかけた。