天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「告発者は正義のヒーローではありません。
告発者のせいで・・
自分が勤める職場・会社が危機に晒され、
自分の給与等といった利益にも関わってくる。
“良く思わない人間”
が大多数を占めるのは当然です。
だからこそ・・不当な扱いを受ける・・
もしくは精神的に追い詰められる状況に陥るのは当然でしょう・・。」
「「・・・・。」」
「2年5組の中村君。
前 顧問の不祥事をマスコミへ内部告発した生徒だそうですね・・?
この4日間、全ての部員とマネージャーの様子を観察させて頂きました。
・・・・・彼は馬鹿な人間です。
“責任感”、“罪悪感”なんて非科学的な感情に支配されている。」
「「・・・・・。」」
「だったらあなた方がいつも口にする“教育”をしてください。
“大人”がきちんと教育して、
彼を引き留めてください。
[悪いのは学園。
生徒には一切の非は無い]
・・・【内部告発は悪では無い】
今からお二人で彼の家へ行って、彼とその保護者に土下座をして頂きましょうか?」
この男・・私や理事長が気にもしていなかった事を・・
今回の野球部の事態が世間に知られるキッカケとなった・・
内部告発者の中村君の事をそこまで・・・。
「・・僕が顧問になったからには、
誰も辞めさせませんよ・・?」
最後はやっぱりニヤリと薄気味悪い笑顔を向けてきたが、言っている事に反論は無い・・。
すぐに中村君のご両親へ連絡を取った後、
理事長と2人で車に乗り込んだ。