天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


明日の試合開始は午後1時。予報通りにいけば小雨がぱらつく試合になるか・・!


「・・・・・・・・・・・。」


「阿部先生。

野球に限らず【雨】というのは、

これまで数多くのスポーツで、
“ドラマ”を演出してきたモノです。

私も我が学園サッカー部を指導していた頃、

[雨中の大激戦]
を何度演じてきた事か・・。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・阿部先生?聞いてますか?」



な、なんだ・・・・・?


ここまで無表情のまま一言も発していないマッドサイエンティストが、

ようやくいつもの薄気味悪い笑顔を浮かべてくる。


「・・・・教頭。」


「なんですか?」


「久しぶりに・・僕からの要求に応えて頂きましょうか?」


「・・・・・・なんですか。」


「明日はあなたもベンチに入ってください。」


「え~~?でもそうすると・・・。」


「分かっています。

あなたが何故ここまで・・

ベンチに入らずにスタンドで応援していたのかという理由は。」


「だったら・・・。」


「ですが、明日は僕と一緒に【一芝居】打って頂きたい。」


「・・・ひ・・一芝居・・?」


「あなたがよく口にする[我が学園サッカー部を指導していた頃]・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「明日は・・本当に【我が学園サッカー部 顧問】に戻って頂きましょうか・・?」
























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