天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~



野球部マネージャー 筒井ミク
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球場入りした頃はどんよりとした曇天が広がっていたけど・・


南邦高校さんの練習が終わって、みんなが守備練習に取り掛かろうとしていた頃になると、

やっぱり予報通り、雨が降ってきた・・。


どうやら今日は・・
[雨中の準々決勝]になりそうです・・!



「あれ?教頭先生、なんでいるんスか?」


「え・・い、いやぁ・・。
たまにはと思いまして・・。」


片足だけ松葉杖をついて球場入りした憲伸くんが、

今大会初のベンチ入りをした教頭先生の姿を見て目を丸くする。


教頭先生は[部長(責任教師)]という立場だから、ベンチ入りできる資格を持っている。


でも・・・変態と違って、

いつも優しくて、愛情を持ってウチらと接してくれる教頭先生は、

ここまで常にスタンドで応援をしてくれていた。


1~3年生まで、
全員がベンチ入りできる17人の選手。

記録員としてベンチ入りできる私。


でも・・・野球部員の中で、

唯二ベンチに入れない・・
アリサとサエちゃんの為に・・。


スタンドで吹奏楽部の皆さんと一緒に応援する二人が寂しくならないように、

心細くならないように、

教頭先生はアリサとサエちゃんと一緒に、
声を枯らしてくれていた。



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