天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「あちゃ~・・結構強くなってきたな。」


「あ・・そうだね。」


隣に座る憲伸くんが雨足について呟く。


守備練時にはノッカーを務める代打の切り札 渡辺くんも、

顔を拭きながらこの雨を気にしている。


「まぁでも、これぐらいなら試合中止にはならないかなぁ。

今日は岩瀬が5回、正津が4回。
2人に託す!!」


「うん・・!」


享令高校戦で足に打球を受けた憲伸くん。

診断の結果、幸い骨に異常は無かったけど、まだその“腫れ”は直っていなかった。


全治まであと2~3日・・。

もう少し間が空いてくれれば、
ギリギリ準々決勝に間に合ったけど・・

でもベスト8からは、
待ったなしで連戦が続く・・。


だから今日は岩瀬くん、正津くんのリレーで臨む事になっていた・・!



「さて・・・では教頭、行きますか。」


「・・・・・・・・御意・・!!」


・・・ん???


「え・・2人ともどこ行くんスか?」
「え・・2人ともどこ行くんですか?」


思わず・・・憲伸くんと異口同音を発する。


守備練習を見守っていた変態と教頭先生が・・・ベンチを出て・・

ホームベースの更に後方付近へ歩いて行った・・?


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