天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「おぉ!アンダースローじゃしか!!」


頭に“?”が残ったまま、
1回裏の青愛学園の攻撃。


投球練習をする南邦のエース、

【川尻君】のフォームを見た・・
福留くんのテンションが上がった。


下から上に向かって、浮き上がるような球を放ってくるアンダースロー。


快速球とフォークが武器だった享令の川崎君と違って、

今回の川尻君はホップするストレートと、

七色の変化球で勝負してきそうな投手のようです・・!


「福留くん・・もしかしてアンダースローが得意なの?」


「大好物じゃ!
だから任せたもんせ筒井先輩。

おいどんが先頭打者ホームランを叩きこんでくるでごわす。」


頼もしい1番バッターの予告ホームラン!


「よっしゃー!福留ぶちかませ~~!!」


意気揚々とバッターボックスに立つ福留くん・・!


頑張・・・・・・・・


《ボール ツー!》


「よっしゃー!ナイセン福留!」


《ボール!フォア!!》


福留くんが私に向かって手を合わせながら一塁ベースへ走るので、

“ナイス選球眼!”とグーサインする。


ここが福留くんのゴールデンルーキーらしい所。

広角打法もそうだけど、冷静にボール球を見極めてフォアボールを選んだ!

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