天才か、狂人か。 ～変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる～

“コンッ”


今度は一塁線に転がした荒木くん。


「よっしゃー！！！よくやったぞ荒木！」


同じ失敗は繰り返さない！！
見事に決まってこれで１ア・・・


「福留君がスチール気味にスタートを切っていたのが幸いしましたね。

そうでなければ、またあの猛チャージに引っ掛かってダブルプレーです。」


・・・素直に喜べない変態に、
また大西くんのヤジが飛ぶ・・。


とにかく・・・！

これで１アウト二塁のチャンス、
バッターは３番の龍ちゃん！


「「「「・・・あ、あれ・・？」」」」
「！！？」


・・キャッチャーが立ち上がった・・？
まさか・・【敬遠】・・！？


《ボール！フォア！》


これで１アウト一塁二塁・・。

でもまさか・・３番バッターと勝負を避けて、４番との勝負を選ぶなんて・・。


「燃えろ立浪～～～！！！」


この状況に立浪くんが発奮しないわけがない・・！


“自分の前の打者が敬遠される”

きっと立浪くんにとっては初めての光景だったかもしれない。

左バッターボックスに構えたその背中から、もの凄い威圧感が放たれる・・！



《ボール！フォア！》


「よっしゃー！冷静王子～～！！！」


・・・と思ったけど、やっぱり川尻君はコントロールに難があるのかな・・？


立浪くんが落ち着いて球を見極め、

これで結果的には二者連続の四球で、
１アウト満塁にチャンス拡大！