天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「どうやら・・・・今日の相手は今までとは種類の違う【強敵】のようです。」
「あ?なに??」
「“龍君との勝負を避けた”のではなく、“龍君・立浪君との勝負を避けた”のだとしたら、
相手の監督さんはかなりのやり手です。」
“!!”
次打者、5番中村くんが放った大飛球・・
風に戻されてレフトが追いついたけど・・
「ナイバッチ中村~!!」
三塁ランナー福留くんがタッチアップ。
犠牲フライでついに先制点が入った!
「おい変態!もしそうだったとしても、
中村がちゃんと結果出して、
向こうの作戦失敗してるじゃん!」
「次の山崎君を抑えれば1点で済みます。
2点も3点も取られるぐらいなら、
最少失点で切り抜けられます。」
「この1点が重くのしかかる!
現に、まだ向こうは手も足も出なくてノーヒットだ!」
「【1点なんてすぐに2倍3倍にして返せる】と計算していたら怖いですけどね。」
「・・・・変態・・・・・
さっきからどっちの味方だゴラァ!!?」
「・・・・・失礼しました。」
[うん・・たぶん阿部先生はなんだかんだ言って、ウチら部員の中で一番、
大西くんの事が好きなのかもしれない]
と思わせるようなやり取りが続きながら・・
山崎くんは惜しくもショートゴロに倒れてこれでチェンジ。