天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「試合延期になって出来た2日間。

じっとしていられない教頭が、
面白い情報を仕入れてきました。」


「なんですか・・・・?」


「あのご老体の監督さんです。」


変態に言われて見つめる先。

三塁側ベンチに座る・・杖をついて、
眼鏡を光らせる南邦の監督さん・・・。



「【智将 野村先生】

それを体現する選手も素晴らしいですが、

どうやら南邦高校は、あのご老体によって緻密に練られた戦略・・

【相手に合わせて】
戦い方を変えてくるようです。」


「どういう事ですか・・?」


「手の内を知られたくないので、

2月末からは岐阜・三重の学校を相手に練習試合を組んできましたが、

青愛学園は既に1回戦から4試合を戦っています。


【青愛学園はバントを多用する】

【青愛学園は3イニングずつ、
3人の投手をつぎ込んでくる】

・・あのご老体の耳にも入っていた事でしょう。」


「でもだからってどうして・・!?」


「あくまで僕の仮説ですが、

恐らく・・[初見で岩瀬君の高速スライダーを打ち崩すのは難しい]

そう判断したのではないでしょうか?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「【だから2番手の投手を狙い撃ちする】
【勝負は4回からだ】

智将と呼ばれている人なら、そういう作戦を立ててきても不思議ではありません。」


「・・・最初から・・
正津くんをターゲットに・・?」


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