天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「変態!!言われた通り、
[あと1人粘れ!]って伝えてきた!」


「ご苦労様でした。相手の4番を迎えたら憲伸君を投入します。

投球練習場へ行って、
彼に伝えてきてください。」


「分かった!!!」




「・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・筒井さん。そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫です。」


「はい・・ごめんなさい・・・。」


「享令高校との4回戦を突破した後、
教頭が僕に言いました。」


「・・・・?」


「【雨は、ドラマを生む】

智将 野村先生の“計算違い”があるとしたら・・2日間 順延した、

青愛学園にとっての“恵みの雨”です。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「もし、2日前のあの時、
試合が行われていたら・・

狙い撃ちを食らう正津君を助ける事ができず、

5回コールドゲームで青愛学園は敗退していたでしょう。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「どうやら教頭の予言通りになりそうです。

【ウチにはまだエースが残っている】

“憲伸君が投げられる”という事が、あの智将の戦略を崩す突破口になります。」


「・・・はい・・・!」





相手バッター3番 矢野君にもタイムリーを打たれ、これで得点は[1―10]


残念ながら粘れなかったけど・・まだ4回だから[緊急登板]と言ってもいいけど・・


だけど・・・阿部先生の言う通り、

まだウチらには“流れ”を変えられるエースが控えている・・!


後輩から先輩へ渡されるバトン。
憲伸くんがマウンドへ上った・・!
















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