天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
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《ストライク!
バッターアウト!チェンジ!!》
「よっしゃー!さすが憲伸だぁああ!!」
4番5番を連続三振・・!
ピンチを切り抜けた憲伸くんが、
ベンチに戻ってくると・・
「・・・・正津。顔上げろ。」
「・・スッ・・ウゥゥ・・スッ・・ヒック・・。」
「まだ試合は終わってない。
しっかり顔上げて、
俺達の大逆転劇を見てろよな。」
「・・・スッ・・ウゥゥ・・スッ・・・。」
降板後、ベンチメンバーや阿部先生に労いをかけられて・・
その後はずっとタオルを頭に被せて、涙をこぼし続けていた後輩へ声をかける・・。
4回表終わって得点[1―10]
“試合を壊した”
そんな責任感を感じて止まらない嗚咽。
でも・・今回は南邦打線に狙われてしまったけど、1回戦からここまで・・。
2番手投手として・・ゴールデンルーキーから憲伸くんへの橋渡しとして、
大事な役割を背負ってきた正津くんの事は誰も責めない。
“俺らの大事な後輩泣かせやがってゴラァ”
その涙が・・その嗚咽が・・
みんなの闘志をさらにかき立てる・・!