天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「「「「「「・・・・。」」」」」」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・。」


静まりかえる・・一塁側ベンチ・・
ため息が漏れる・・一塁側スタンド・・。


9回裏 得点[9―10]
2アウト・・ランナー無し・・・。


「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」


歩きながら・・必死に目に力を入れながらベンチへと戻ってくる龍ちゃんに・・

誰も声を掛けられなかった・・。



「「「「・・・・・・・。」」」」


・・・【負けた】・・・・
そんな雰囲気が・・ベンチに漂・・



「教頭が今の君達を見たら怒りますよ?

[ネバーギブアップ]
[レフェリーの笛が鳴るまで走り続けろ]

あの人が“我が学園サッカー部”を指導していた頃の口癖だそうです。」



「・・浪・・立浪・・・・。」
「立浪・・頼むぞ!!」
「野球は9回ツーアウトからだ!!!」


阿部先生の独り言のおかげで・・
少しだけ声量が戻る・・・。


まだ・・・・まだ試合は終わってない・・!


内野6人シフトが解けて、
通常の守備位置に戻った南邦高校。

打席は4番 立浪くん・・!



「・・・ミク・・・・・・。」


「うん・・・・?」


「・・すまん・・・多分・・泣く・・。」


「・・・・うん・・きっと私も・・。」






「さて・・準備はできましたか大西君?」


「・・・・・・。」


「立浪君が塁に出たらいきますよ?」


「・・・・・・。」


ベンチ裏から大西くんが戻ってきた。

だけど・・・いつもの元気な声はその口から出ずに、一言も発さない様子・・?


< 268 / 399 >

この作品をシェア

pagetop