天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「「「「「「・・・・。」」」」」」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・。」
静まりかえる・・一塁側ベンチ・・
ため息が漏れる・・一塁側スタンド・・。
9回裏 得点[9―10]
2アウト・・ランナー無し・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」
歩きながら・・必死に目に力を入れながらベンチへと戻ってくる龍ちゃんに・・
誰も声を掛けられなかった・・。
「「「「・・・・・・・。」」」」
・・・【負けた】・・・・
そんな雰囲気が・・ベンチに漂・・
「教頭が今の君達を見たら怒りますよ?
[ネバーギブアップ]
[レフェリーの笛が鳴るまで走り続けろ]
あの人が“我が学園サッカー部”を指導していた頃の口癖だそうです。」
「・・浪・・立浪・・・・。」
「立浪・・頼むぞ!!」
「野球は9回ツーアウトからだ!!!」
阿部先生の独り言のおかげで・・
少しだけ声量が戻る・・・。
まだ・・・・まだ試合は終わってない・・!
内野6人シフトが解けて、
通常の守備位置に戻った南邦高校。
打席は4番 立浪くん・・!
「・・・ミク・・・・・・。」
「うん・・・・?」
「・・すまん・・・多分・・泣く・・。」
「・・・・うん・・きっと私も・・。」
「さて・・準備はできましたか大西君?」
「・・・・・・。」
「立浪君が塁に出たらいきますよ?」
「・・・・・・。」
ベンチ裏から大西くんが戻ってきた。
だけど・・・いつもの元気な声はその口から出ずに、一言も発さない様子・・?