天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


“!!!”


「よし!!!」
「やった!」
「ナイバッチ立浪――!!」



[まだ終わらせない!!]
そんな声が聞こえてくるほど、

立浪くんがライト前へ運んだ・・!
これで2アウト一塁・・!



「・・・・井上君。
代走を告げてきてください。」


「は、はい・・!」



「・・・・大西君。」


「・・・・・。」


「頼みましたよ?」


「・・・・・・。」


一塁ランナー立浪くんがベンチに戻ってきて、みんなとハイタッチを交わし・・

代わりに【背番号12】が一塁へ・・!


福留くんにレギュラーを譲った後は・・

“声出し隊長”としてウチらベンチを盛り上げてくれた大西くんが代走起用・・!


バッターは5番 中村くん・・!!


「・・・・ハァハァ・・・・・・・
・・・・・・・・ハァハァ・・・。」


バッターボックスに立つその顔が、
既に息切れしている・・。


石直球の福原君から長打は狙えない。

でも・・まだランナー 一塁だから、

大西くんをホームに返す為には・・
ここは長打を狙うしかない・・。


そんな気持ちが伝わ・・・・


「力むな中村・・・。
俺みたいになるぞ・・・。」


龍ちゃんが今にも涙腺爆発しそうな擦れた声を出す・・。


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