天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~

後編



―――――― 


延長11回表・・・・


10回裏に2アウト一塁二塁のサヨナラのチャンスを作ったけど決めきれず・・

11回の攻防に入った延長戦・・・。



“!!!!”


「!!?」
「あっ・・・!?」


一塁側からの悲鳴と、
三塁側の歓声が入り乱れる中・・


南邦の3番バッター・・キャッチャーの矢野君が放った打球が・・

レフトスタンドに吸い込まれた・・。


「油断してしまいましたね中村君。

今のは憲伸君の球が・・というより、
君のリードが完璧に読まれたようです。」


打った矢野君には失礼だけど・・

【出会い頭の一発】
変態はそんな独り言を呟いた・・。


ここまで南邦打線を食い止めてきた憲伸くんだったけど・・

うん・・!南邦打線を、
4回途中~11回まで1失点は凄いよ!


本人は痛恨の極みの表情を浮かべていたけど、

ウチらが同点・延長戦に持ち込むシーソーゲームをアシストしてくれた憲伸くんに、

みんなが笑顔でドンマイと声を掛ける。


これで・・得点[10―11]・・!


次の11回裏でウチらが追いつけなければ試合終了。

追いついたらまた12回の攻防へ・・!


< 273 / 399 >

この作品をシェア

pagetop