天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「どうやら今回は・・
誤審に助けられたようですね。」


ニチャァ笑みを見せた変態。
やっぱり・・スイングしてたよね・・。


でもでも!!これでノーアウト一塁二塁にチャンス拡大!!


バッターは先ほど、起死回生の同点タイムリーを打った5番 中村くん!!


得点[10―11]・・

1点ビハインドだけど、
再び流れはウチらに・・!!



“!!!!”


「「「うぉぉぉ!!中村~~!!」」」
「龍!!ストップだ!!」


さすが頼れるキャプテン!!!!
レフト前へ二打席連続のヒット!


ただ・・同点阻止の為に前進守備を敷いてきていた南邦 外野陣の出足が良かったので、

二塁ランナーの龍ちゃんは、
三塁ストップを余儀なくされた。


これで・・ノーアウト満塁!!


三塁ランナー 龍ちゃんが返れば同点。

二塁ランナー 大西くんも返れば、
逆転サヨナラ・・!!



「さて・・・立浪君。
代打を告げてきてください。」


「渡辺ですか・・!?」


「はい。ようやく切り札を投入する時が来たようです。」


満を持して・・・千両役者登場!


ず~~~~~~~っとベンチ裏で準備していた渡辺くんがヘルメットを被る!



「準備は良いですか渡辺君。」


「・・はい・・阿部監督・・!」


「先ほどのトイレの帰りに、君と雑談した内容を更に具体的に指示します。」


「・・はい・・!」


「1ストライクを取られるまでは、
バットを振らないでください。

ここにきてコントロールが荒れだした福原君の投球です。

僕の仮説通りにいけば、
1ボール1ストライク、

もしくは2ボール1ストライクの状況になるはずです。」


「・・はい・・!」


「“最低でも犠牲フライ”なんて言わず、君達が一気に勝負を決めてきてください。」


「・・・・・・はい・・!!」


代打の切り札を送り出した阿部先生が、
ニチャァ笑みを見せる・・!


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