天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


龍ちゃん・・大西くん・・中村くん・・。

満塁のランナー3人が・・
投球と同時にスタートを切った・・。



“コンッ”


渡辺くんがバットを寝かせて・・
バントを・・【スクイズ】を仕掛けた!?



「「「「突っ込め龍!!!!」」」」



三塁線に転がったボール・・・。

前進守備とはいえ、まさかの作戦に虚を突かれた相手三塁手が0.5歩分遅れた・・!


「おんどりゃああ!!!」


三塁手がボールを掴む頃には、
龍ちゃんが雄叫びと共にスライディング!


スクイズ成功で同点に追いつい・・!

・・・・!!!!?


「「「あっ!!!」」」
「・・・・・・!!」


バックホームを諦め・・
一塁へ送球する相手三塁手・・


その背後で・・相手三塁手にとって、
“死角”となった背後で・・

この視界に・・・三塁ベースを蹴る、
【背番号12】が映った・・・。



<遠山!!ホームだ!!!>
<クソッタレ!!!!!>

《アウト!》


バッターランナー渡辺くんは一塁アウト。

でも塁審の判定が下る前に、すぐさまボールを捕った相手一塁手がバックホーム・・


「大西!!!!飛べぇぇーー!!!!!」



二塁ランナー 大西くんが・・・
・・ホームに突っ込む・・・・。


指示できるよう・・
その視界に入るよう・・

体を地面に這わせるように屈んだ龍ちゃんが、両腕でジェスチャーを送る・・。



「!!!!」
<!!!!>


ヘッドスライディングでホームへダイブした大西くんの体が・・

・・土埃を発生させた・・・。



「「「「どっちだ!!?」」」」



・・ここからは見えない・・!!
土埃に包まれるホームベース付近・・。


球審さんが食い入るようにそこを見つめて、
一瞬の静寂の後・・・・




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