天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「「「「「!!?」」」」」


《え・・・・・。》


静寂と騒然が入り乱れる球場・・
ホームベース付近・・・・


そこに・・三塁側の南邦ベンチから・・
杖をつきながら近寄ってくる影・・。



<・・矢野。正直に言いなさい。>


<・・・・・・・・。>


<ワシの目が誤魔化せるとでも思ったか?

[捕球体勢からの一連の流れだった]
なんて言い訳は許さぬぞ。

ファースト遠山からの返球がくる前から既に、お主はこの背番号12君の、

【走路を故意に塞いだ】>


<・・・・・・・・・。>


<それに対し、紳士な彼はお主にタックルする事なく、必死になって回り込もうとした。

それなのにお主は・・更に自分の体を彼に寄せて【膝打ち】を食らわせて・・

ホームベースから遠ざけた後に、
追いタッチをした。>


<・・・・・・・・。>


<これは立派な【走塁妨害】じゃぞ?>


<・・・申し訳ございません・・
・・・・野村先生・・・。>





《あ・・あの・・・・。》


<球審君。横から見ていた一塁 塁審君と三塁 塁審君、

それにバックネットにいる、
大会役員君達と協議してきなさい。

ワシらは判定が覆っても文句は言わん。>


《・・しょ・・少々お待ち下さい。》


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