天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
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9回“裏”まで進んだ終盤戦。
この時点で既に、
9回まででのウチらの勝利は無くなった。
ここからウチらには[サヨナラ負け]のプレッシャーがのしかかってくる・・!
4回~8回まで、なんとか“0”を並べて堪える2番手 正津くん。
この回を抑えて延長戦に持ち込めば、
エース憲伸くんが控えている・・!
「正津―――!!凌げーーー!!!」
でも・・・先頭バッターの相手4番 由伸君にツーベースを打たれて、
ノーアウト二塁・・・。
「大西君。伝令をお願いします。」
「わ、分かった!」
「次の5番打者を敬遠して、
ノーアウト一塁二塁。
恐らく愛工大 名錬は“送りバント”をしてくるので、1アウト二塁三塁。
7番打者を敬遠して、1アウト満塁で、
相手の8番9番と勝負してください。」
ここは一か八か・・・!!
ランナーを三塁に置くリスクはあるけど、
ホースプレー・ダブルプレーが狙えるように塁を埋めて、相手の下位打線と勝負!