天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
第18話
第18話
空蝉の音、美しき敗者の背中
野球部マネージャー 筒井ミク
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その声援を聞くだけで・・・
選手のみんな以上に、
大変で過酷な環境のはずなのに・・
鳴り止まない大音量の吹奏楽の音を聞くだけで・・目頭が熱くなっていく・・。
“暑い”なんて言ってられないほど、
フィールドが熱くなっていく・・。
みんなのユニフォーム。“綺麗”な格好をしている選手は誰もいない。
エースの憲伸くんが熱投を見せて、
野手陣が必死に打球に飛びついて、
守って守って守り抜く気迫。
相手エース上原君を相手に、
必死に投球に食らいついて、
一塁にヘッドスライディングして、
どんな形でもいいから塁に出ようとする気迫。
1回裏に愛工大 名錬が先制。
7回表に青愛学園が同点。
[1―1]のまま・・・・
「「「「ナイス久慈!!!」」」」
14回裏の守りが終了・・!
ついに・・ホントの最終・・【延長15回】の攻防に入ろうとしていた。
この回に点を入れられなければ、
青愛学園の勝利は無くなる。
この回に点を入れられなければ、
裏の守りを“0”で終えて、
[引き分け再試合]に持ち込むしかない。
だから・・青愛学園“勝利”の為には、この回に1点を上げないといけない・・!!
13時の試合開始から、
あっという間に現時刻14時30分。
陽はまだまだ爛々とフィールドへ降り注いでいる。