天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「変態先生、質問。」
「・・・はい。龍君。」
部員の1人から手が上がる。
面と向かって思いっきり“変態”と呼びつける・・肝が据わった子のようだ。
「普段の練習方法とか、これからどういうチーム作りをしていくとか、
あんたはどう考えてるんですか?」
部員の皆からすると当然の質問だろう。
だけど大丈夫・・。
「ご安心ください。
全て君達の【自主性】にお任せします。
君達は前 顧問の下、今まで散々・・
非合理的な“特訓”、“しごき”、“精神論”に支配されてきたんでしょう?
僕はそんな馬鹿な行いはしません。」
「じゃあ・・試合中も俺らがサイン出したり、作戦立てていいの?」
「・・・・・・・はい・・・。」
「・・っしゃ!」
龍君が小さくガッツポーズして他の皆を見回す。
ようやく皆も緊張がほぐれたというか・・
安堵の表情を浮かべた。