天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・・ミク・・・。」
「うん・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「どうせ、“疲れたからラブホで休憩しようぜ”とか言うんでしょ~?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・?」
「小学生ん時の約束・・・覚えてるか?」
「え・・・・・・。」
「3回戦では・・代打を出されて・・
享令戦では・・立浪に救われて・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「南邦戦では・・内野6人シフトに引っ掛かって・・みんなの期待を裏切って・・
大西の激走とか、
中村や渡辺に救われて・・。」
「・・・・・・・・。」
「今日は・・結局あの後に・・
・・・無様に三振して・・・。」
「・・・・・・・・。」
「でもさ・・・カッコ悪くてもいい。
俺は活躍できなくてもいい。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「“ミクを甲子園に連れて行く”
・・・約束は守るよ・・・・。」
「・・・うん・・ありがとう・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・ねぇ龍ちゃん。」
「ん?」
「あの頃の約束・・
覚えてくれてたんだったら・・。」
「おぉ。」
「あの頃みたいに・・
手つないで帰ってあげるよ!」
「バッ・・なんで上から目線なんだよ!」
「15回までスコア付けさせられて疲れた~!もう動けない~!」
「お・・・俺らは試合・・・・・
・・まぁ・・今日もスコアありがとな。」
小学・・1年?2年生?以来かな・・。
ちっちゃな頃は当たり前だったけど・・
いつの間にか・・
並んで歩く2人の間に、
微妙な距離ができるようになったけど・・
泣いても笑っても、明日が最後の戦い。
今日の帰り道は久しぶりに・・
私の右手と、龍ちゃんの左手が繋がった。
夏の全国高校野球
愛知県大会 決勝
青愛学園
対
私学4強 絶対王者【中京大 中部】
第18話 完