天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
「日々の練習時間。朝・土日の練習有無。
練習方法、試合中の作戦。
キャプテンの中村君を中心に、
君達で判断して進めてください。
・・・僕はそこに一切の口出しをしない。
その代わり、先ほど説明した健康管理の点については誓約して守って頂きましょうか?」
「「「「「「はい。」」」」」」
「あ!変態!俺も質問!!」
「はい・・大西君。」
ミーティング?のようなこの雰囲気が終わりかけた時、部員の1人から手が上がる。
面と向かってもはや“先生”すら付けなくて思いっきり“変態”と呼びつける・・
お調子者の子のようだ。
「変態って野球の事知ってるの?」
「いえ・・全く知りません。
何人で行うスポーツなのかも知りません。」
「ウハッ!こりゃいいや!!」
「・・・ご安心ください・・。
この1ヶ月以内に・・
【規約】は全て頭に叩き込みます。」
スポーツの“ルール”の事を、“規約”と表現する人間に会ったのは初めてだ。
だが・・私が懸念していたマッドサイエンティストの暴走は無さそうで、
むしろ理事長や私が望んでいた“生徒の自主性”に重きを置いてくれるらしい。
「さて・・では練習に向かってください。
僕も後からグラウンドへ行きます。」