天才か、狂人か。 ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~
野球部マネージャー 筒井ミク
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「うぇ~~い!」
「もうっ!動かないでよっ!
はい気をつけ!」
「痛い!!」
すっかりルーティンと化した、
練習前の私と大西くんの鬼ごっこ。
最後はいつもの通りお尻に蹴りを入れて大人しくさせた後、額に体温計をかざす。
「35度8分!」
「うぇ~~い!じゃあ行ってきまーす!」
ウチら女子マネージャーの仕事が1つ増えちゃったけど、
決して“無駄”な事ではないのでまぁ・・いっか!
活動再開の初日、
教頭先生からその名前を聞かされた時はゾッとして全身に鳥肌が立ったけど・・
あれから約3週間。
「ミク~!
ボールと用具出し、終わったよ~。」
「ありがと~。」
同じ2年生マネージャーのアリサと、後輩マネちゃんにお礼を言ったところで、
いつも通り検温シートを阿部先生の所に持って行く。
「先生、はいこれ今日の分です。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
生徒の私が生意気言うのもなんだけど・・
“ありがとう”の一言ぐらいあってもいいのに・・。
約3週間連続、無言で受け取った変態を横目にグラウンド前に整列したみんなに加わる。